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政治・経済・社会
トランプ現象とアメリカ保守思想
「アメリカ・ファースト!」かつてトランプとまったく同じスローガンを掲げた大統領候補がいた――。トランプ現象をネオコンだけでない知られざるアメリカ保守思想、右派政治史の流れから捉えなおし、反動思想と呼ぶべき危険な本質を暴く。いま世界で起きているポピュリズムの奥底を考えるための必読の1冊!【書評続々】
2016年アメリカ大統領選を席巻するトランプ現象。
疲弊し没落しつつある中流層、とりわけ貧困層に落ちる不安を抱えた中流層下半分の白人の不満と怒り、絶望がトランプ支持に結びついたことはいかなる未来を暗示しているのか?
1950年代、すなわち公民権法以前のアメリカへのノスタルジーを喚起するトランプはいかなる思想に支えられているのか?
第二次大戦後、ラッセル・カーク、ノーマン・ポドレッツらから始まり、ネオコン第2世代にいたる複雑な近代的なアメリカ保守思想の潮流と、思想が政治運動にいかに結びついてきたのか、ニクソンの南部戦略やニューライトの運動、レーガン政権へ向けた保守の大連合など現代アメリカ政治史の流れをたどり、トランプ現象の本質を本格的に捉え直す。
単なるポピュリズムではない、反動思想としてのトランプ現象を暴く。
[目次]
第1章 壊れゆくアメリカ
1 トランプ現象があぶりだすもの
PCなんてクソくらえ!
政策からみたトランプの実像
トランプを支持する心理
2 トランプはいかにして指名を獲得したのか
二〇一六年大統領選挙まで
そしてレースが始まった
予備選挙での戦術
指名獲得
3 いま、アメリカに何が起きているのか
「アメリカ」が壊れてゆく
追い込まれる中産階級
クリントン政権と金融バブル
ニューライトからはじまる保守派政治運動
繰り返される信仰復活運動
トランプ現象とニューライト
アメリカ政治の三十年サイクル
第2章 トランプという男
生い立ち
不動産王トランプへ
四度の破産
トランプの家族
第3章 トランプの反動思想
1 保守派の願望
一九五〇年代へのノスタルジー
保守思想の原点
ニクソンの南部戦略
一九六四年のゴールドウォーター
ネオコンの登場
レーガン政権の保守大連合
2 再び混迷する保守思想
内を向いたアメリカ
新世代ネオコンと九・一一
3 トランピズムに流れ込む反動思想
ブキャナンをなぞるトランプ
トランプが揺り起こしているのは何か
あとがき
会田弘継(あいだ・ひろつぐ)
1951年埼玉県生まれ。共同通信社ワシントン支局記者、ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長を歴任。現在、共同通信社客員論説委員、青山学院大学地球社会共生学部教授。主な著書に『増補改訂版 追跡・アメリカの思想家たち』『戦争を始めるのは誰か』、訳書にフランシス・フクヤマ『アメリカの終わり』ほかがある。
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