「生きよ」という声 鮎川信夫のモダニズム

日本の戦後詩を切り拓いた「荒地」最大の詩人鮎川信夫とは何者だったのか? 戦前モダニズムの洗礼を受け、戦争体験を経て晩年、アメリカ新保守主義を論じたその困難なる詩的道程を、盟友吉本隆明との交渉とともに描きだす力作評伝。現代詩にとって、そして私たちにとって〈戦後〉とは何だったのか――。


鮎川信夫の詩的世界は、「戦後詩」がかかえた多くのアポリア(難問)を裸の身にまとったものだ。彼は戦前から戦後へと時代と価値観が変化するなかで、複雑に屈折した詩の形相をみせながら、時の流れのなかを走って、逝った。(「第一章 出発」より)

目次
プロローグ
第一章 出発
第二章 接続
第三章 切断
第四章 風景
第五章 〈戦後〉
第六章 抒情
第七章 吉本隆明
第八章 故郷
第九章 八〇年代
第十章 残されたもの
エピローグ
主要人物生歿年一覧


岡本勝人(おかもと・かつひと)1954年生まれ。詩人、文芸評論家。評論集に『ノスタルジック・ポエジー 戦後の詩人たち』『現代詩の星座』、編著書に疋田寛吉『詩人の書』があるほか、『定本 清岡卓行全詩集』に「解題」を寄せる。詩集『シャーロック・ホームズという名のお店』『ビーグル犬航海記』『ミゼレーレ 沈黙する季節』『都市の詩学』『古都巡礼のカルテット』『ナポリの春』。
型番 9784865281415
販売価格
2,970円(税270円)
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