現代中国 都市と農村の70年

中国建国70周年!都市と農村の二つの歴史。
建国以来、中国の都市と農村には超えがたい経済格差があり、福祉、医療、教育なども含めた生活の質の違いが、固定化された形で続いてきた。格差はどのような政策のもとで生まれたのか。またその中で人々はどのように生きたのか。2019年の今、一方の農民は「小康」の生活を送れるようになったのか―。本書では現代中国を特徴づけるこの「二元的社会」に焦点を当て、1949年から2019年までの70年間を、その時代の人々の語りとともに振り返る。


目次
はじめに

第一章 中華人民共和国の成立と初期建設の日々
1 建国期農村社会の大いなる変化
   2 近代都市の形成と都市像             
   3 農村社会の諸運動と集団化  

第二章 社会主義体制への移行期
1 農村における公有化の受入れ
2 計画経済体制下における都市の生活      
3 集団的熱狂の時代   
4 固定化された二つの社会 
5 自然災害と食糧難のとき

第三章 人民公社と文化大革命の時代
1 調整政策のはじまり
2 社会主義教育運動と四清運動
3 都市における文化大革命
4 農村における文化大革命
5 人民公社を成り立たせたもの

第四章 改革開放時代
1 一九七〇年代中国の国際関係と国内情勢
2 「包産到戸」の導入
3 「中央一号文件」の策定と通達
4 都市の改革と対外開放
5 一九九〇年代の都市と農村

第五章 「反哺」の二一世紀
1 江沢民政権期
2 胡錦濤政権と「三農問題」
3 農村政策の推進
4 都市のさらなる発展
5 習近平政権の時代―「反哺」を超えて

謝辞―「あとがき」に代えて
参考文献・引用資料等出典一覧




浜口 允子(はまぐち・のぶこ)
放送大学名誉教授。専攻は東洋史学、中国近現代史。
主な著書に、『北京三里屯第三小学校』(岩波新書)、『中国・近代への歩み』、『中国の近代と現代』(編著)、『東アジアの中の中国史』(共著、以上、放送大学教育振興会)、『村から中国を読む−華北農村五十年史』(共著、青木書店)、『天津史−再生する都市のトポロジー』(共著、東方書店)、調査記録『中国農村変革と家族・村落・国家』、同第二巻(共著、汲古書院)など。

1938年 長野県に生まれる
1960年 お茶の水女子大学文教育学部史学科卒業
1979年 同大学大学院人間文化研究科博士課程単位取得退学
放送大学助教授を経て
1989年 放送大学教授
2008年 同大学名誉教授
販売価格
1,980円(税180円)
購入数