住まいが都市をつくる モダニズム建築のアナザー・ストーリー

20世紀初頭、ヨーロッパ。オットー・ワーグナーやヨゼフ・ホフマンの薫陶を受けた新しい世代の建築家たちが、都市に住まう新しいあり方を各国で模索していた。オルブリッヒ、マレ=ステヴァンス、そして若き日のル・コルビュジエ。 やがてサヴォワ邸に結実するモダニズムの胎動を丁寧に紐解き、槇文彦の代官山ヒルサイドテラスを今日まで続くアーバン・ヴィラ探求の歴史に位置付けなおす。モダニズム建築史の知られざる底流を明らかにする類書のない1冊。

目次
はじめに
第1章 シャルル=エドゥアール・ジャンヌレの遺した二つのヴィラと二枚のスケッチ
第2章 ルードヴィヒ大公と建築家オルブリッヒの遺したアーティスト・イン・レジデンス
第3章 ル・コルビュジエの遺したヴィラ・サヴォワ
第4章 パリのクルデサック・マレ=ステヴァンス通り
第5章 新たなアーバン・ヴィラを求めて代官山ヒルサイドテラス

註/あとがき
参考文献ならびに図版・写真の出典文献一覧



小沢明(おざわ・あきら)
建築家、東北芸術工科大学名誉教授。
1936年満州国大連生まれ。早稲田大学建築学科卒業、ハーバード大学大学院建築修士修了(1965)。米国セルト・ジャクソン建築設計事務所、槇総合計画事務所を経て、小沢明建築研究室を設立。工学院大学特別専任教授、ワシントン大学、キャンサス大学客員教授歴任。東北芸術工科大学教授、第三代学長を務める。
主な作品に、「第一回横浜国際アーバン・デザイン設計競技」最優秀賞、「日仏建築設計競技・PAN13バンリューを創る」優秀賞、「鶴岡アート・フォーラム」(BCS賞、公共建築賞、東北建築賞)、「金山町立明安小学校」(文部科学大臣奨励賞、東北建築賞、公共の色彩賞)のほか、「セント・メリーズロッジ」(日本建築家協会二十五年賞)受賞。
著書に『都市の住まいの二都物語』(王国社)、『「ポシェ」から「余白」へ 都市居住とアーバニズムの諸相を追って』(鹿島出版会)、『デザインの知』(共著、角川学芸出版社)、訳書にヴォルフ・フォン・エッカルト『どこに住むべきか』(共訳、彰国社)、ホイットニー・ノース・セイモアー『スモール・アーバンスペース』(彰国社)、ハワード・サールマン『パリ大改造 オースマンの業績』(井上書院)がある。
販売価格
2,750円(税250円)
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