塗中録

俳句と散文のつらなりを追い、ふと顔を上げれば、見知らぬ場所にたどり着いている。 連句人(レンキスト)にして西鶴研究者・ 浅沼璞による初句集。


それでもまだ、希望が、俳句が、わいてくるのだから、不思議だ。
〈とり返しのつかないかたち〉を句集にする手だって残っている。ーー本文より

  さみだれといふ部首さがす最上川
  脇息に開く春雨物語
  ゆつくりと空みせてゐる障子かな
  俺は津までお前も津まで花筏
  これからの氷菓のことを話しあふ



浅沼璞(あさぬま・はく)
一九五七年 東京都生まれ
一九八七年 「横浜戸塚駅」俳句会、参加
一九九一年 俳諧誌「水分」同人参加。眞鍋呉夫に師事
一九九五年 連句形式「オン座六句」を創案
一九九七年 連句誌「れぎおん」同人参加(十八号〜終刊号)
二〇一三年 俳誌「群青」同人参加(創刊号〜二十四号)
二〇一六年 日本詩歌句協会評論大賞受賞
二〇一八年 俳誌「無心」創刊、代表

著書
『可能性としての連句』『中層連句宣言』『「超」連句入門』『西鶴という方法』
『西鶴という鬼才』『西鶴という俳人』『俳句・連句R‌E‌M‌I‌X』
販売価格
1,650円(税150円)
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