椅子クラフトはなぜ生き残るのか

古代エジプト文明以来、人間とともにあり、 専門職人たちの手でつくられてきた椅子は、近代を迎えて大きな転機を迎える。 大量生産と機械化の時代を潜り抜け、手づくりの小規模生産が生き残るのはなぜか。 ものづくりの将来と日本の経済社会を見据え、クラフツ経済の現代的課題と強みをさぐる。【図版多数掲載】

近年、他業種の傾向に反して木製家具製造業で、
従業員3人以下の事業所数シェアが増大しているのはなぜだろうか。
椅子という商品には、生産や流通をめぐる経済構造に特別な点があるのだろうか。
作り手そして購入者にとっての、椅子の魅力と特性とは何だろうか。
近代椅子の名作、現代日本の椅子作家の作品に触れながら、
職人たちの小規模生産が生き残る椅子づくりの世界に多角的にせまる。

目次
まえがき
第一章 なぜ椅子クラフツを取り上げるのか
第二章 椅子クラフツ生産はいかに行われているか
第三章 近代椅子はどのように変化してきたか
第四章 なぜ椅子をつくるのか
第五章 椅子に何を求めるか
第六章 生活文化の中の椅子
第七章 椅子の社会的ネットワークはどのようにして可能か
終 章 椅子からみる経済社会
あとがき


坂井素思(さかい・もとし)
1950年、信州で木材業を経営していた祖父の家に生まれる。放送大学経済学教授。社会経済学、産業・消費社会論、クラフツ文化経済論。
主な単著に『貨幣・勤労・代理人 経済文明論』(左右社刊)、『経済社会論』『家庭の経済』『社会的協力論』、編著に『社会科学入門』『市民と社会を生きるために』『社会の中の芸術』『格差社会と新自由主義』『経済社会を考える』(放送大学教育振興会刊)などがある。
販売価格
2,200円(税200円)
購入数