カタルーニャ語 小さなことば 僕の人生

元銀行員が研究者に⁉ カタルーニャでベストセラー作家に⁉
ことばの海を泳ぐカタルーニャ語学者の40年。

日本で初めてのカタルーニャ語の辞書編纂からカタルーニャ語で小説をものするまで、編纂、翻訳、創作、記録あらゆる手法で日本とカタルーニャの文化をつないだ田澤耕が「小さな言語」との40年をユーモアいっぱいに描く。 二重言語の街の歴史、ふたつのことばの上下関係、言語学習についてなど…ことばの宇宙に目が眩む一冊。



カタルーニャ語とは、スペインの北東部カタルーニャ自治州(主都バルセロナ)などで話されている言語だ。言語人口は約六百万人。カタルーニャ自治州以外に、マリョルカ島のあるバレアレス諸島自治州、バレンシア自治州、フランス領北カタルーニャなどグレーの部分がカタルーニャ語圏を構成している。〈中略〉フランコ政権は「強い統一スペイン」を掲げ、カタルーニャなど少数民族の自治や文化を徹底的に抑圧した。とくに共和国の側にあったカタルーニャに対する弾圧は熾烈だった。カタルーニャ語も公的な使用を禁じられ、学校教育から追放された。


❖ 目次

第一章 「小さな言語」に出会うまで
銀行員になる/ バルセロナの語学研修生/二枚舌社会/ 妻との出会いと「怪しい日本人」/神戸で、本物の「仁義なき戦い」を味わう/ 転機―今こそ「知的生活」へ!

第二章 カタルーニャ語事始め
カタルーニャ語とは/ 武器は本一冊、カセットテープ二本/「こんなものがわからなくてどうするんだ!」/ 社会言語学/カタルーニャ言語社会学という切り口/ 大学教員への道/長崎時代/ マリョルカ島の夏期講座/ アブイ紙、運命のコラム/リウス家の言語生活/ 『カタルーニャ語文法入門』

第三章 「二枚舌」の街、バルセロナ
関西へ、そしてカタルーニャへ/ 初めて本を出す/泥縄で『ガウディ建築入門』/ カタルーニャ語で本を書く/夢のバルセロナ/ 「枇杷」をカタルーニャ語で何と呼ぶ?/カタルーニャ語で日本語を教える/ 「ベストセラー作家」誕生/子どもたちの言語生活/ 「おとうさん、スペイン語って下品だよね」/妻/問題だらけの「日本語・カタルーニャ語辞典」に救われる/ 山に入る/「カタルーニャ語辞典」を作る/ 熟語・慣用句辞典/この辞書を家族に捧ぐ

第四章 市場を独占する野望
「小さな言語」で食っていく/ 極小のパイ/日本でカタルーニャについて書く/『物語 カタルーニャの歴史』/カタルーニャ語で日本について書く/日本文学をカタルーニャ語に翻訳する/『カタルーニャ語版日本文学短編選集』

第五章 半分カタルーニャ人
帰国後の息子たち/ 妻も主婦から研究者へ/サン・ジョルディ十字勲章/カタルーニャに家を買う/ カタルーニャ独立運動

おわりに 


田澤耕(たざわ・こう)
1953年生。一橋大学社会学部卒。東京銀行に勤務後、バルセロナ大学にて博士号取得(カタルーニャ語学)。法政大学名誉教授。専門はカタルーニャ語・文化。2003年、カタルーニャ自治政府サン・ジョルディ十字勲章受章。2009年、外務大臣表彰。2018年、カタルーニャ語作家協会名誉会員。2019年、ラモン・リュイ財団国際賞受賞。著書に『カタルーニャ語辞典』(大学書林)『詳しく学ぶカタルーニャ語文法』(白水社)、『物語 カタルーニャの歴史』(中公新書)など。翻訳書に『ティラン・ロ・ブラン』、『ダイヤモンド広場』(以上、岩波文庫)『カタルーニャ語版日本文学短編選集』(全十巻、Laislàtzuli Ed.)など。
販売価格
2,200円(税200円)
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