HS新版少年非行

改正少年法から見えてくる私たちの社会のしくみ

センセーショナルに報じられたあの事件の少年は、その後、
どのような裁きを受け、処遇に服しているのだろうか。
いま社会はどのように少年に非行に向き合い、処遇しているのか。
一貫して減少し続けている発生件数、日本が誇る信頼の原理による保護観察・更生保護、
そして処罰的処遇へと傾く法改正。
少年非行をめぐって、社会の処遇を中心にその全体像を描くロングセラーを、
2021年改正少年法を踏まえて全面改訂しました【7月末刊行】

本書は、少年非行に関して、それを取り扱う段階別に、とりわけ非行少年への社会的反作用、具体的な対応に着目して考察を進める。非行をした少年が取り扱われる社会統制機関の流れに沿って検討しているので、初めてその名前を聞く制度や組織があるかもしれないが、自然に知識を身につけてもらえるものと思う。
わかりやすく書かれているため、学校で生徒・学生の教育にあたっておられる先生、子育て中の親や少年非行に関心を持っておられる一般のかた、非行年齢の少年少女や兄姉の年齢にあたる若者たち、孫や子どもを見守っておられる高齢のかたによって本書が読まれ、新たな視点と気づき、知識と洞察の深まりを提供できることを願ってやまない。(「はじめに」より)


❖目次
はじめに
第一章 日本の少年非行 過去と現在
第二章 少年非行の「発生」 法執行機関
第三章 家庭裁判所と少年非行
第四章 少年院と保護観察
第五章 触法少年・虞犯少年
第六章 少年の刑事裁判と今後の展望
参考文献


鮎川潤(あゆかわ・じゅん)
関西学院大学名誉教授。少年非行、犯罪学、刑事政策、逸脱行動、社会問題研究。博士(人間科学)。保護司、更生保護施設評議員、学校法人評議員、少年院視察委員会委員。1952年愛知県生まれ、東京大学文学部第四類(心理学・社会学)卒業、大阪大学大学院人間科学研究科後期博士課程中途退学。松山商科大学(現・松山大学)人文学部社会学科専任講師、金城学院大学文学部社会学科・現代文化学部福祉社会学科教授、関西学院大学法学部教授、スウェーデン国立犯罪防止委員会客員研究員、南イリノイ大学カーボンデール校フルブライト研究員、ケンブリッジ大学、ウィーン大学、デラウェア大学客員研究員、中国・吉林大学、蘇州大学、中国人民大学への派遣教授、法務省法務総合研究所研究評価検討委員会委員、地方自治体選挙管理委員会委員、法務省矯正研修所支所、家庭裁判所調査官研修所の講師などを務めた。

主要著編書・訳書
単著に、Juvenile Crimes and Social Problems in Japan: A Social Constructionist Approach, Koyo Shobo, 2019、『再検証 犯罪被害者とその支援』、『新しい視点で考える犯罪と刑事政策』(2010、 2017ともに昭和堂)、『新版少年非行の社会学』(2002、世界思想社)、『少年犯罪』(2000、平凡社新書)、『犯罪学入門』(1997、講談社現代新書)、編著に『新訂逸脱行動論』 (2006、放送大学教育振興会)、監修に『戦前期少年犯罪基本文献集』全44巻(2009-2012、日本図書センター)などがある。
販売価格
1,980円(税180円)
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