私たちのエコロジー 地球という惑星を生きるために

環境危機に現代アートはいかに呼応するのか。
国籍を問わない気鋭のアーティスト34名による作品図版約190を収録。
人間中心主義的な物の見方を脱却し、地球を蝕む環境問題に向き合うための新しい視座を提供する。



◉ゲストキュレーター、バート・ウィンザー=タマキ氏による特別寄稿

第2章には、ゲストキュレーター、バート・ウィンザー=タマキ氏(カリフォルニア大学アーバイン校美術史学科教授、美術史家)による特別寄稿を収録。「土に還る 1950年代から1980年代の日本におけるアートとエコロジー」と題し、岡本太郎ら国内アーティストの作品を多数参照しながら、1950年代以降の日本の現代アートが工業汚染、都市化、放射能汚染や自然災害など深刻な環境問題にどのように向き合ってきたかを考察する。



◉展覧会概要

産業革命以降、特に20世紀後半に人類が地球に与えた影響は、それ以前の数万年単位の地質学的変化に匹敵すると言われています。この地球規模の環境危機は、諸工業先進国それぞれに特有かつ無数の事象や状況に端を発しているのではないか。本展はその問いから構想されました。

本展では、国内外のアーティスト34名による歴史的な作品から新作まで多様な表現約100点を、4つの章で紹介します。第1章「全ては繋がっている」では、環境や生態系と人間の活動が複雑に絡み合う現実に言及します。第2章「土に還る」では、1950〜80年代の高度経済成長の裏で、環境汚染が問題となった日本で制作・発表されたアートを再検証し、環境問題を日本という立ち位置から見つめ直します。第3章「大いなる加速」では、人類による過度な地球資源の開発の影響を明らかにすると同時に、ある種の「希望」も提示する作品を紹介します。最終章である第4章「未来は私たちの中にある」では、アクティビズム、先住民の叡智、フェミニズム、AIや集合知(CI)、精神性(スピリチュアリティ)などさまざまな表現にみられる、最先端のテクノロジーと古来の技術の双方の考察をとおして、未来の可能性を描きます。

森美術館公式HPより
販売価格
3,960円(税360円)
購入数