小布施の「鳳凰図」の謎

至高にしてアバンギャルドな、北斎最晩年の巨大天井絵「鳳凰図」。

その制作の裏側に、最先端のデジタルスキャン技術で挑む——

印象派をはじめ、世界の芸術文化に影響を与えた葛飾北斎。

代表作「富嶽三十六景」を70代で描き上げた北斎には、さらにその最晩年に手掛けた知られざる肉筆画の大作があった。それが長野県小布施町の岩松院本堂に残された天井絵「鳳凰図」である。

当地の豪商、高井鴻山の招きに応じ、江戸から240キロ離れた小布施まで数度足を運び、手掛けたとされるこの天井画「鳳凰図」にこのたび、高精細デジタルスキャンがなされた。完成した精密な複製作品によって、肉眼では見えなかった細部の筆致が鮮やかに甦り、新たな鑑賞体験を提供するばかりか、浮世絵研究者たちに対しても新たな分析、読解へと結びつく大いなる刺激となっている。

最新技術との融合により、「画工」北斎の新たな側面に光を当て、美術展示の新たな可能性を切り開く一冊。

販売価格
2,640円(税240円)
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