春の先の春へ 震災への鎮魂歌

永訣の朝、無声慟哭、春と修羅…。宮澤賢治と古川日出男の声/言葉で贈る、震災後の光を探り願うCDブック。小池昌代、管啓次郎のエッセイと解説付。


「声が先頭に立って、言葉がついていく、そう思うと、今まで遮断されていた、賢治への道が見えてきました」(小池昌代)

「東北は遠い。でも賢治の声と日出男の言葉に乗って、われわれはそこへの歩みを何度でも開始する」(管啓次郎)

「その三月に震災は起き、僕はひと月かふた月か、さまざまな文章が読めずにいました。しかし、それでも数人の文学者の、わずかな数の本は読めた。そうした本のことを考えつづけています。そこには宮澤賢治がいました」(古川日出男)

[目次]
宮澤賢治「春と修羅」より
 永訣の朝
 無声慟哭
 報告
 青森挽歌
 春と修羅
[文]
古川日出男
虹の声 小池昌代
日出男に声を借りる賢治に言葉を借りる日出男、ふたりの心の火、響き 管啓次郎

CDクレジット 宮澤賢治「春と修羅」より5篇(22分20秒)



古川日出男(ふるかわ・ひでお)
小説家。福島県出身。主な作品に『アラビアの夜の種族』『ベルカ、吠えないのか?』『聖家族』『中国行きのスロウ・ボートREMIX』『サウンドトラック』『馬たちよ、それでも光は無垢で』など多数。

小池昌代(こいけ・まさよ)
詩人、小説家。主な作品に詩集『永遠に来ないバス』『コルカタ』、小説『タタド』『弦と響』『黒蜜』などがある。

管啓次郎(すが・けいじろう)
明治大学理工学部教授。比較詩学。主な著作に『コロンブスの犬』(河出文庫)、『斜線の旅』(インスクリプト、第62回読売文学賞受賞)、書評エッセイ集『本は読めないものだから心配するな〔新装版〕』、詩集『Agend’Ars』『島の水、島の火 Agend’Ars2』(いずれも左右社)などがある。
型番 978-4-903500-70-6
販売価格
1,540円(税140円)
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