編集者の食と酒と

「週刊朝日」のベテラン文芸編集者として、数多くの作家たちと接してきた著者が見た編集者の姿。自身の体験と、編集者からみた作家・書店・書籍を論じる。

本書で私が最も訴えたかったのは編集者と作家の距離(間合い)をどう測るか、ということになるだろうか。
編集者が作家とあまり親しくなるのも考えものだ。作家の内懐に入り込んで、いつのまにか作家の番頭というか秘書のような役割を果たしている多くの編集者も見て来た。同じ出版社のなかでもいろいろな雑誌があるから、流行作家ともなれば、社内で原稿を取り合うといったこともままある。
(「あとがき」から)
[目次]
まえがき
編集者の仕事
体験的編集者論  東京オリンピック開会式の前夜
編集者の仕事   編集者と作家の距離は、遠くて近いのか、それとも近くて遠いのか
直木賞と本屋大賞 文芸賞の楽屋
さし絵画家と小説家との一途な暗闘
装丁は本の「包装」ではなく「皮膚」だ  装丁家の仕事
読者と最前線で顔を合わせる書店員たち  最新書店事情
原稿料と原稿量
池波正太郎はなぜ女性に読まれるのか  エッセイと小説とのあわい
文士行きつけの「うまい店」
料理本の世界  簡単、スピードだけで良いのか
大学時代に学んだ「編集作法」
情報の発信地、有楽町はメディアの街
祝意の過去形
近ごろ気に障ること
編集者の世界がわかる本を読む
あとがき
年譜・「週刊朝日」在任中に企画、担当した小説、エッセイ、漫画など
書誌



重金敦之(しげかね・あつゆき)
1939年生まれ。慶応大学卒業後、朝日新聞入社。「週刊朝日」編集部在籍時に池波正太郎、松本清張、結城昌治、渡辺淳一など多くの作家を担当。食の分野にも造詣が深く、料理にたずさわる人たちからの信頼も厚い。既刊に『作家の食と酒と』。左右社HPで「愚者の説法 賢者のぼやき」連載中。
型番 978-4-903500-62-1
販売価格
1,980円(税180円)
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