特集「天皇の謎を解きます」緊急特集「東北関東大震災ー希望はどこかにある」〈第9号〉

社会学者・大澤真幸が、対談と論文で現代社会を特集形式で考える個人思想誌「O[オー]」第9号。 日本社会のありようを深く規定する近代天皇制。明治末から昭和初期、近代日本の成立期における天皇制の意味の検討をとおして、あらためて社会構造への影響力を明らかにする。 緊急特集として3.11東北関東大震災をめぐる論考を収録。その直前にNHK「視点・論点」で放映された論考とともに、未来への希望を破局的事態の中に見出す。 新連載「論文の技法」スタート!

[目次]
特集「天皇の謎を解きます」
1 論文:「天皇論」
1 万世一系
2 天皇萌え
3 町奉行と越前守
4 内奏と祭祀 —昭和天皇の二つの活動
5 中国の天
6 弱い強者
7 空虚な中心/実質的な側近
8 謎解き

2対談:「天皇の国民、国民の天皇、天皇なき国民」ゲスト高澤秀次
天皇はオヤジと呼ばれていた/「日本人」の成立/桃色の部屋と灰色の部屋/北村透谷は〈不可能性の時代〉の文学者/国語の問題

3対談:「なぜ継続してきたか」ゲスト佐伯啓思
マルクス主義と司馬遼太郎/表面の天皇制と裏面の天皇制/権威と権力/法より優先するものがある/憲法を再生する/日本のご機嫌をとらなくなった中国/天皇は絶対者か

参考資料:天皇制を論じるためのブックガイド

緊急特集「東北関東大震災 ——希望はどこかにある」
緊急論文:「全てを失ったあとに残るもの、それは希望だ!だが、どこに?」
論考:「「正義」を考える —裏返しの終末論」
資料:2011年東北関東地方太平洋沖地震ドキュメント

新連載:論文の技法 1 「類からの委託 ——論文にとっての完全義務」



大澤真幸(おおさわ・まさち)
1958年生まれ。社会学者。著書に『不可能性の時代』『ナショナリズムの由来』、共著に『歴史の〈はじまり〉』。近刊書に『量子の社会哲学』『現代宗教意識論』がある。

佐伯啓思(さえき・けいし)
経済学者。京都大学大学院教授。著書に『日本という「価値」』『現代日本のリベラリズム』など多数。

高澤秀次(たかさわ・しゅうじ)
文芸評論家。著書に『評伝中上健次』『文学者たちの大逆事件と韓国併合』などがある。
型番 978-4-903500-50-8
販売価格
1,100円(税100円)
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