初歩から学ぶ金融の仕組み

リーマンショック、デフレ、ギリシア危機。 金融の問題は、瞬く間に全世界を揺さぶり、わたしたちの日常生活に襲いかかる。けれどもその基礎がわかれば、複雑怪奇なだけの現象ではない。デフレ時代を生きぬくために、金融の仕組みを初歩から学ぼう。



金融は私たちの生活に深くかかわっている。たとえば、私たちが貯蓄をどのような資産に運用すれば、より高い利益が得られるかは、預金金利、国債利回り、株価、為替レート、インフレ・デフレの動向などに依存する。住宅やマンションをいつ買ったらよいかは、住宅ローンの金利や地価の動向に左右される。
企業の投資行動は景気を大きく左右するが、それは日本銀行の金融政策によって決定される名目金利や物価の変化率(インフレかデフレか)の影響を受ける。
しかし、実際の金融の仕組みは複雑である。例えば、比較的読者が利用する機会が多いと思われる振り込みでさえ、全国銀行ネットや日本銀行ネットなどの電子的なネットワークが利用されている。あるいは、複雑な仕組みを知らずに金融商品に手を出して、大失敗することも少なくない。
本書は、私たちの生活に深く関わっているが、複雑で分かりにくい金融市場の仕組みやその機能および金融政策について、基礎的な知識を学びたいという読者のための入門書である。(「まえがき」より)」


[目次]
まえがき
第1章  貨幣と日本の経済システム
第2章  貨幣の貸借と金融
第3章  資金調達・運用と金融機関
第4章  金融市場の仕組みと機能
第5章  不確実性と金融制度
第6章  情報の非対称性と金融仲介機関
第7章  銀行と貨幣の供給
第8章  金融規制と金融システムの安定化
第9章  スワップとオプション
第10章  貨幣の需要と利子率
第11章  投資と利子率
第12章  金融政策の手段
第13章  不況とインフレ対策としての金融政策
第14章  デフレ対策としての金融政策



いわた・きくお=学習院大学経済学部教授。金融論、経済政策専攻。
主な著書に『金融入門』(岩波新書)、『経済学を学ぶ』(ちくま新書)、『金融危機の経済学』(東洋経済新報社)など。
型番 978-4-903500-46-1
販売価格
1,781円(税162円)
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