特集「もう1つの『1Q84』」〈第4号〉

社会学者・大澤真幸が、対談と論文で現代社会を特集形式で考える月刊誌「O[オー]」第4号。 新刊を発表するたび、社会現象ともいえる売行きを記録し、数百万人の読者を得ている作家・村上春樹。1979年にデビューし、80年代を代表する存在であった彼の新刊『1Q84』は、四半世紀前を回顧する物語ではない。それは80年代における〈虚構の時代〉から〈不可能性の時代〉への転換を描いて、現在を鋭く問う小説である——。 90枚を超える力作の書き下ろし論考「〈虚構の時代〉における/を越える村上春樹」と、80年代文学史・文化史の最も重要な人物のひとりである辻井喬=堤清二との対談で、『1Q84』を読み解く!

[目次]
特集「もうひとつの『1Q84』」
1 論文 大澤真幸  〈虚構の時代〉における/を越える村上春樹
2 対談 辻井喬 × 大澤真幸  日本の虚構と『1Q84』の存在感

参考資料
『1Q84』—大澤真幸によるあらすじ
〈理想の時代〉〈虚構の時代〉〈不可能性の時代〉年表
1980年代年表1 消費の時代の文学へ
1980年代年表2 転換期の政治史
1980年代年表3 高度成長から消費の時代へ
1980年代年表4 冷戦構造の崩壊



大澤真幸(おおさわ・まさち)
1958年生まれ。社会学者。著書に『不可能性の時代』『ナショナリズムの由来』、共著に『歴史の〈はじまり〉』など。

辻井喬(つじい・たかし)
1927年東京都生まれ。本名・堤清二。元セゾングループ代表、現在セゾン文化財団理事長。91年に経営の第一線を退いた後、作家活動に専念。詩集に『異邦人』(室生犀星詩人賞)、『群青、わが黙示』(高見順賞)、『鷲がいて』(読売文学賞詩歌俳句賞)、『自伝詩のためのエスキース』(現代詩人賞)。小説に『いつもと同じ春』(平林たい子文学賞)、『虹の岬』(谷崎潤一郎賞)、『父の肖像』(野間文芸賞)など。
型番 978-4-903500-36-2
販売価格
1,100円(税100円)
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