特集「民主革命としての裁判員制度」〈第3号〉

社会学者・大澤真幸が、対談と論文で現代社会を特集形式で考える月刊誌「O[オー]」第3号。 2009年5月の制度導入から1年を経た裁判員制度とは何なのか、そして赦しえない罪に対して、ひとはどう対するべきなのか。司法制度改革を推進した弁護士・四宮啓氏、松本サリン事件で冤罪被害までも被った河野義行氏を対談ゲストに迎え、あらためて裁判員制度とはどのような制度なのかを問い、罪を赦すとはどういうことなのか対話を交わす。 〈神の根底的な不在を受け入れるしかない時代〉を生きるわれわれが導入した裁判員制度、それは〈政治の全般的な民主化の根幹、一種の民主主義革命の一環なのである〉。そのことの意味、ひとがひとを裁くとはどういうことなのか、根源的な問いにまで思考の垂心を下ろします。

[目次]
特集「民主革命としての裁判員制度」
1 対談 四宮啓 × 大澤真幸  これは民主化なんだ
2 対談 河野義行 × 大澤真幸  麻原彰晃にすらも恨みを持たない
3 論文 大澤真幸  償いの(不)可能性

参考資料
平成21年における裁判員制度の実施状況



大澤真幸(おおさわ・まさち)
1958年生まれ。社会学者。著書に『不可能性の時代』『ナショナリズムの由来』、共著に『歴史の〈はじまり〉』など。

四宮啓(しのみや・けい)
1952年生まれ。弁護士。早稲田大学法科大学院教授を経て、現在、國學院大学法科大学院教授。2001〜04年、日本弁護士連合会司法改革調査室長、司法制度改革推進本部「裁判員制度・刑事検討会」委員。

河野義行(こうの・よしゆき)
1950年生まれ。猛毒のサリンが撒かれた松本サリン事件の第一通報者であるにもかかわらず、警察やマスコミに犯人扱いされ大きな人権侵害を被る。現在、犯罪被害者支援や講演活動を全国各地で行っている。
型番 978-4-903500-31-7
販売価格
1,100円(税100円)
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